【症例紹介】免疫介在性血小板減少症について
2024/12/18/
いつも前川ペットクリニックをご愛顧いただきありがとうございます。
今日は血尿や口腔内からの出血が同時に起こったワンちゃんの症例をご紹介します。
症例は4歳のワンちゃん(去勢済)で当院には血尿・黒色便・腹部紫斑(皮下への出血班)、口腔内出血があるということで来院されました。
元気食欲はありましたが、いくつかの出血症状があったため、血液検査をしたところ、貧血はありませんでしたが、血小板という止血作用に関わる成分が非常に不足しており、症状より免疫介在性血小板減少症という病気が疑われました。
免疫介在性血小板減少症とは自己免疫反応である抗体が過剰に血小板に付着し、マクロファージに過剰に貪食されることで血小板が減少する疾患を指します。
ワンちゃんでは認められますが、猫ちゃんではほとんどおこらない疾患です。
血小板減少症に伴う臨床徴候として、皮膚および粘膜の紫斑が最も多く認められ、それ以外には消化管出血、鼻出血、血尿、前眼房出血などの出血傾向が観察されることがあります。
重症例に関しては入院治療を行い、貧血が認められる場合は輸血が必要になることもあります。
治療に関してはステロイド剤や免疫抑制剤を使用して、自己免疫反応を抑え込む必要があります。
血小板数が増加し、状態が落ち着いてきたら徐々に薬の量を漸減していきます。
この疾患は死亡率が高く、症状が急激に進行することがほとんどなので、紫斑や血尿など複数の出血傾向がある場合は、すぐに動物病院に相談してください。
埼玉県川口市にある前川ペットクリニック。
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