胆嚢粘液嚢腫について
2025/05/28/
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今日は嘔吐を主訴に来院したワンちゃんの症例をご紹介します。
症例は14歳のワンちゃん(未去勢雄)で、当院で検査を行ったところ、肝数値の上昇・黄疸がみられ、腹部超音波検査を行い、胆嚢粘液嚢腫という診断をしました。
・胆嚢粘液嚢腫の超音波画像
胆嚢粘液嚢腫とはムチンという粘性の高い物質が胆嚢内に蓄積し胆嚢が拡張してしまう疾患です。
初期の段階では無症状であることが多いですが、症状が進行してくると、嘔吐・食欲不振・腹部痛・黄疸などの症状が出てきて、さらに進行すると、胆嚢の穿孔や破裂が起こり、重篤な症状になります。
治療としては無症状の場合、内科治療や食事療法などの選択肢もありますが、治療に反応しないことも多く、明らかな臨床症状が出ている症例には外科治療が第一選択となります。
このワンちゃんは当院で手術を行い、拡張した胆嚢を摘出しました。
幸い胆嚢破裂前に手術を行えたため、腹膜炎などの合併症は起こっておらず、現在は肝数値も低下し黄疸も改善され臨床徴候も消失しました。
胆嚢の手術は臨床徴候が悪化してからの手術になるほどリスクも高くなるため、疑わしい症状がある場合は早めに動物病院に相談してください。
以下、手術の写真が掲載されていますので、ご注意ください
・拡張した胆嚢
・胆嚢摘出後の様子
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